ジュエリーは、素材の色合いによって印象が大きく左右されるものです。金本来の色に近い「イエローゴールド」にはゴージャスな雰囲気があり、赤みがかった「ピンクゴールド」には女性らしいかわいらしさがあります。
ここでは、レアカラーのゴールドとして知る人ぞ知る存在である「ブラックゴールド」について解説します。ブラックゴールドの特徴や魅力と合わせて取扱いブランドもご紹介しますので、ジュエリー選びの参考にしてみてください。
目次
ブラックゴールドとは?
出典:Shirokuma https://shirokuma.ocnk.net/product/95
ゴールドといえば、金メダルや金貨のように「山吹色で光輝くもの」というイメージが広く浸透している金属です。さらに「ピンクゴールド」や「ホワイトゴールド」といった、純金とは色調が異なるカラーゴールドも生産され、ジュエリーの素材として広く用いられています。
カラーゴールドの1つであるブラックゴールドは、名前の通り黒っぽい色合いをしている金合金です。ブラックといっても墨汁のような真っ黒ではなく、グレーがかった深い銀色をしているのが特徴。
表面にルテニウムコーティング(ルテニウムめっき)をほどこして、より黒さを引き立たせることもあります。
なぜゴールドなのに「ブラック」と呼ばれるようなモノトーンの色合いをしているのか、疑問に感じる人もいるのではないでしょうか。
金は、そのままでは硬度が低く加工に適していません。そのため金以外の金属を混ぜることで強度を高め、ジュエリーとして加工するのです。
このときに使われる金属を「割金(わりきん)」といいます。
割金の種類や割合によって、合金にしたときの色味も変わってきます。こうして、様々な色合いに仕上げられたものがカラーゴールドと呼ばれています。
ブラックゴールドに使われているのは、プラチナ、銀、パラジウムといった白銀色をした金属です。金とこれらの金属が混ざり合うことで、彩度の低いシックなトーンを作り出しています。
ブラックゴールドは、シルバーやプラチナと似て非なる、シックで深みのある色合いが大きな魅力です。
ゴールドの気品あふれる輝きを保ちつつも華美さや派手さはひかえめで、身につける人の性別や雰囲気を選びません。女性が身につければ、静かな輝きの中に色気を感じさせてくれるでしょう。男性が身につければ、落ち着いた輝きがその人自身の魅力を引き出してくれます。女性から男性に贈るジュエリーの素材としても最適です。
日本ジュエリー協会の規定では、ブラックゴールドに関する表示記号も定められていません。しかし数が少ないながらも商品は流通しており、略して「BG」という表記がされることもあります。ただし、同じく表示規定に含まれないブラウンゴールドも「BG」と書かれることがあるため、店舗やインターネットショップで購入する際には注意しておきましょう。ブラックゴールドに似たカラーとしてはグレーゴールドがあり、こちらには「GG」という刻印が使用されます。
希少なブラックゴールドの価値
K18のブラックゴールドであれば、純金が75%含まれています。この金の純度は、K18ならピンクゴールドでもイエローゴールドでも変わりません。金の価値だけを見れば、ほかの金合金と大差ないようにもみえます。
ただしブラックゴールドの場合、残りの25%にも価値の高い金属が使われているのが大きな特徴です。
たとえばピンクゴールドは、赤みを出すために安価な銅が多く使われています。赤みが強いほど銅成分が多く、さらにK14、K10と純度が下がるにつれ純金の量が減っていきます。
一方でブラックゴールドに使われるのはプラチナや銀、パラジウムといった価値の高い金属で、金合金の中でも市場価値が高く、金の純度が下がっても比較的価値が下がりにくいといえます。
こんな人はブラックゴールドがおすすめ!
ブラックゴールドは、きらびやかな華やかさはどちらかといえば控えめで、一般的なカラーゴールドとは一線を画す魅力があります。
そのため、シックな装いやモノトーンのファッションにゴールドを合わせたい人には自信を持っておすすめできます。華やかさは控えめでも、ゴールドの持つ格調高さは失われることなく、いつもの装いをより魅力的にしてくれるに違いありません。
また、プラチナともシルバーとも違う雰囲気のジュエリーを身につけたい人、さりげなく個性を表現したい人にもおすすめです。ブラックゴールドジュエリーの流通量はさほど多くなく、どちらかといえばレアなカラーです。他人と被らないことからも、ひと味違うおしゃれを楽しむのにぴったりだといえるでしょう。
黒×白のモノトーンでお洒落に決める!
ブラックゴールドのジュエリーは、モノトーンゆえにほかの色を邪魔しません。
シックなファッションに合うのはもちろんのこと、フォーマルやカジュアルなど幅広いテイストに合うのが大きな魅力です。重ねづけをすれば、華やかさをプラスしつつ、もう一方のジュエリーの存在感や魅力を引き立ててくれるでしょう。
ペアリングなら、片方をブラック、もう片方をピンクやホワイトと色違いにするのもおしゃれです。シックなブラックゴールドなら、男性も職場などで身につけやすく、ビジネスの装いにもマッチします。
ブラックゴールドのメリット
・ゴールドの光沢や素材感を生かしつつシックな雰囲気がある
・身につけている人が少なく個性を表現できる
・幅広いコーディネートにマッチする
・もともとの色味が黒いため変色しても目立ちにくい
ブラックゴールドのデメリット
・取扱いブランドが限られ既製品も少ない
・オーダーメイドも多い為、気軽に買い揃えることが難しい
・ブラックルテニウムコーティングの場合メッキが剥がれるリスクがある
ブラックゴールドの指輪を扱うブランド
ブラックゴールドのジュエリーを取り扱っているブランドは、さほど多くありません。
好みの商品を見つけるには、レディーメイドのみならずオーダーメイドまで幅広くリサーチしてみましょう。ここでは、ブラックゴールドのリングを取り扱っているブランドと、おすすめのジュエリーをご紹介します。
ジュエリー工房Misabou
出典:ジュエリー工房Misabou https://misa-bou.com/6331/
高知県にあるオーダーメイドジュエリー専門の工房です。各種カラーゴールドをはじめ、プラチナ、シルバーなど、さまざまな素材から世界にひとつだけのジュエリーをオーダーすることができます。ブラックゴールドも取り扱いがあり、コーティングの有無などを選んで自分好みのジュエリーを作れるのが魅力です。
黒色のジュエリーを身につけたい人、個性のある結婚指輪がほしい人は、こちらの「モノトーンマリッジリング」を要チェック。同じデザインのペアリングでありながら、男性用はブラックコーティングをほどこした「黒」、女性用は控えめな輝きが美しい「プラチナ」です。カラーの対比が美しく、別々の色であっても「ペア」であることをさりげなく主張しています。
ゴールド素材の指輪は1本あたりおよそ70,000円から作ることができ、結婚指輪はペアで150,000円~200,000円ほどが平均的な価格です。個性あるジュエリーを素材から選んで作りたい人におすすめの工房です。
SunDanceBRIDAL(サンダンス ブライダル)
出典:SunDanceBRIDAL https://sundance-net.com/bridal/price/ring-price7/
石川県金沢市でオーダーメイドのアクセサリーやジュエリーを手がけているお店です。ブラックゴールドも取り扱いがあり、素材をはじめ鏡面仕上げやマット仕上げといった見た目を選ぶことができます。好みのパターンを選択するカジュアルオーダーはもちろんのこと、デザインから起こすフルオーダーも可能で、思い描いた通りのジュエリーが手に入ります。
「K18 ブラックゴールド マリッジリング」など、K18のゴールドを素材とする結婚指輪の価格は1つあたり100,000円程度から。指輪全体のデザインやサイズ、リングの幅、彫り込む柄やあしらう宝石などをじっくりと相談しながらオリジナルジュエリーをオーダーしたい人におすすめです。
RITOE(リトエ)
出典:RITOE https://ritoe.co.jp/about/material.html
婚約指輪や結婚指輪をオーダーメイドできるほか、自分たちの手で作ることもできるお店です。素材の貴金属はプラチナやゴールドなど12種類の中から選べ、K18ブラックゴールドもラインナップされています。結婚指輪にかかる費用は、オーダーメイド・手づくりともにペアで100,000円から150,000円程度。手づくりのリングでも、最終的な仕上げはプロにしてもらえるので安心です。
K18ブラックゴールドで作るオーダーメイドリングは、素材と合わせて表面仕上げを選べるのがポイントです。ピカピカと輝く鏡面仕上げや粗く磨いた風合いが魅力のアンティーク、マットな質感のホーニングなどから選択し、自分好みの1品を作りあげましょう。
ブラックゴールドだけじゃない!黒い結婚指輪
シックで洗練された雰囲気をまとうブラックジュエリーの素材となるのは、ブラックゴールドだけではありません。黒い結婚指輪を作るときにぜひ知っておきたい素材についてご紹介します。
タンタル
タンタル(Ta)とはレアメタルの一種で、素材そのものが黒みを帯びている金属です。
ジュエリーのほか、スマートフォンやパソコンなどに使われるタンタルコンデンサという電子部品に使用されています。金ほどではありませんが密度が高く、手に取るとずっしりとした重みを感じます。また金よりも硬く、細身の指輪でも変形や破損の心配がほとんどありません。金属アレルギーの心配がほぼないという点からも、ジュエリーの素材として注目を集めています。
ジルコニウム
ジルコニウム(Zr)も工業製品などに使われるレアメタルです。
金属アレルギーを起こす心配がほぼないことから、医療にも使われています。ジルコニウムは表面に酸化皮膜を作ることによってさまざまな発色を楽しめる金属で、ジュエリーとしてはカラーバリエーションが豊かなのが特徴です。ブルー、グリーン、オレンジ、ピンクなどの鮮やかな発色のほか、引き締まった黒も表現可能。これまでにないデザインを楽しめる素材です。
チタン
出典:楽天市場 https://item.rakuten.co.jp/auc-tamai-hoseki/es-ti01/
チタン(Ti)は軽く錆びにくいという特徴を持ち、航空機や船舶などに広く使われている金属です。
ジルコニウムと同様に、表面に酸化皮膜を作ることによってさまざまな発色を楽しめます。密度は金の4分の1以下とかなり低く、軽やかなつけ心地のジュエリーがほしい人にもおすすめです。また、金属アレルギーを引き起こす心配もほぼありません。
まとめ
クールで洗練された印象を与えるブラックゴールドの指輪は、あまり流通していないからこそ価値があります。
男性に似合うのはもちろんのこと、女性が身につけても大人っぽさが際立ち、非常に魅力的です。
絶対数が少ないぶん、お気に入りのものを見つけるのは大変かもしれませんが、だからこそ自分だけの一品を見つけたとき、作れた時の喜びは格別です。
皆さんも是非、オーダーメイドから視野に入れて、ブラックゴールドジュエリーを探してみてください。