金と並び、ジュエリーや投資資産として人気の貴金属プラチナ。
希少な金属であることは皆さんご存じの通りですが、その「硬さ」については他金属と比較してどの程度なのかはあまり知られておりません。
そこでこの記事では、プラチナの硬度やプラチナ合金の特徴などを紹介します。アクセサリー選びの参考にしてください。
目次
純プラチナの硬度ってどれくらい?
プラチナは金属元素の1つで、原子番号は78番、元素記号はPtです。比重が21.45と金属のなかでも特に重く、金と同じく手に持つとずっしりとした重量感があります。
純粋なプラチナは変形したりキズが付いたりしやすく、そのままではジュエリーには向いていません。そのため、加工用のプラチナは強度をもたせるため、他の金属と合金にするのが一般的です。
純プラチナは主に現物資産や工業用に使用されます。ジュエリーに使われるプラチナは、他の金属との合金とすることによって、十分な強度を与えます。
硬度については、「ビッカース硬さ(Hv)」という試験法による単位を使用します。これは、ダイヤモンド製の圧子を対象となる物体に押し込み、荷重とくぼみの表面積の比から硬さを計測する手法です。
純プラチナ(Pt)の硬度は、「50Hv」程度です。金(Au)の硬度が「22Hv」ですので一見硬そうに思えますが、私たちに馴染み深い金属の銅(Cu)が「100Hv」、鉄(Fe)が「110Hv」であることを考えると、「プラチナは柔らかい金属である」と言えるでしょう。
金・銀など他金属との硬度比較
プラチナを含む主な金属の硬度(ビッカース硬さ)をまとめました。
金属の種類 |
硬度(Hv) |
プラチナ |
50 |
金 |
22 |
銀 |
25 |
銅 |
100 |
鉛 |
4 |
チタン |
110~150 |
鉄 |
110 |
地球上でもっとも硬い物質であるダイヤモンドはビッカース硬さが「7140~15300Hv」もあります。
ホワイトゴールド・シルバーの硬度
プラチナを日本語では白金と呼びますが、これを英語に直訳した「ホワイトゴールド」というジュエリー素材があります。
混同されがちですが、ホワイトゴールドにはプラチナは一切含まれておらず、金とニッケルやパラジウムなどとの合金です。18金ホワイトゴールドの硬さはおよそ125Hvですので、ジュエリー加工に問題ない硬度だと言えます。
続いて銀ですが、純銀のビッカース硬さは25Hv程度と、金と同程度に柔らかい金属です。ただし、純銀にニッケルなどを0.05%添加するだけで、100Hvまで上げることができます。
プラチナ合金の硬度
それでは、プラチナ合金の硬さはどれくらいあるのでしょう。合金の硬度は、割金(混ぜる方の金属)やその割合によっても変わってきます。とくにプラチナ合金を種類分けする際にはプラチナの含有率が重要で、これを千分率で表した「Pt900」や「Pt850」といった表記を目にするでしょう。
Pt900ならプラチナ純度が90%で残りの10%が他の金属ということになります。Pt850なら、プラチナの割合は85%です。
【プラチナ+パラジウム合金】
パラジウム(Pd)はプラチナ合金の割金としてもっともよく使われる金属の1つです。プラチナ生産における副産物として産出することから、合金素材としての相性がよいのが特徴です。
パラジウム自体も金属としては硬いとはいえないため、Pt+Pd合金も硬度はPt900で60~130Hv、Pt850で70~200Hv程度となります。プラチナの柔軟性が残っていることから、細かい装飾加工を施す際などに用いられます。
【プラチナ+パラジウム+ルテニウム合金】
パラジウムだけでなくルテニウム(Ru)という金属を加えると、プラチナの強度が高まります。ルテニウムの割合は、全体の1~3%ほどとするのが一般的です。
Pt+Pd+Ruの三元合金は、リングやプラチナチェーンの鋳造に利用されます。
硬度は、Pd9%にRu1%のPt900で70~140Hvくらいです。Pd7%にRu3%のPt900では、110~220Hvまで上げられます。
【プラチナ+パラジウム+銅合金】
ルテニウムの代わりに銅(Cu)を割金にすると、硬さがいっそう増します。切断加工が必要な指輪などによく用いられるプラチナ合金です。銅は熱を加えると酸化して色が付きますが、酸処理を行うことで元の銀白色に戻ります。
三元合金の硬度は、Pd7%にCu3%のPt900で110~230Hv、Pd10%にCu5%のPt850では120~250Hvまで高められます。
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今回はプラチナの硬度を中心にお話しました。
そのままでは柔らかい金属のプラチナですが、ジュエリーに用いられるプラチナは一般的に合金です。その為硬度については全く問題ないと言えるでしょう。
配合されるプラチナの純度により、価格やアレルギーの出やすさなどの違いもありますので、正しい情報を知り間違いのないジュエリー選びをしてくださいね。
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