身に着けていた金やプラチナのアクセサリーが変色してしまった!
こんな経験をした方も多いはず。
安定した金属として知られている金やプラチナがどうして?金やプラチナでも錆びるの?という疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
今回はそんな方々へ向けて、アクセサリーが変色してしまう原因とそんなときの対処法、大切なアクセサリーの保管方法までご紹介致します。
目次
金やプラチナは錆びない!
結論から申しますと、金やプラチナは錆びません。
耐蝕性が非常に優れており、酸にもアルカリにも強い特性を持ちます。
金やプラチナを溶かすことができるのは、濃塩酸と濃硝酸から作られた「王水」だけなのです。
そのため、金やプラチナは濡れたままにしたり、海水や温泉に浸したりしても、劣化することはありません。
金やプラチナが変色する原因とは?
ではなぜ金やプラチナのアクセサリーが変色してしまうのでしょうか?
それは、金やプラチナに混ぜられる「その他の金属」が関係しています。
純度100%(正確には99.99%)の24金(K24)やプラチナ1000(pt1000)はそのままでは軟らかいため加工が難しく、アクセサリーには適していません。
そのため「割金(わりきん)」と呼ばれる金属を混ぜ込み、硬度を高めたり、またカラーゴールドのように様々な色味に仕上げたりします。
この割金(わりきん)には変色しやすい銅や銀が使われるため、それがアクセサリーの変色の原因となるわけです。
10円硬貨やシルバーのアクセサリーを思い浮かべても、銅や銀が変色しやすいことは分るでしょう。
純金や純プラチナは変色の心配はありませんが、割金の配合を増やし、金属の純度が下がるほど変色しやすくなります。
ただし、ひとくちに「変色」といっても金属によって原因が違います。
アクセサリーの素材としてポピュラーな18金(K18)と、結婚指輪に人気なプラチナ900(pt900)の割金の特徴を下の表に示しました。
18金は「金75%/割金25%」、プラチナ900は「プラチナ90%/割金10%」という配合です。※「」内は使われることの多いアクセサリーです。
割金の種類 |
変色しやすさ / 特徴など |
銅 (Cu) 「ピンクゴールド」 「イエローゴールド」 |
皮脂、汗、空気に触れて酸化することがある。 塩素系の漂白剤で塩化し、黒ずむことがある。 |
銀 (Ag) 「ピンクゴールド」 「ホワイトゴールド」 「イエローゴールド」 「プラチナ」 |
皮脂や汗に触れて硫化することがある。 硫黄成分と反応して変色するため温泉にも注意が必要。 塩素系の漂白剤で塩化し、黒ずむことがある。 |
パラジウム (Pd) 「ピンクゴールド」 「ホワイトゴールド」 「プラチナ」 |
変色には強い。 見た目も銀白色でプラチナと似ている。 アレルギーは確認が必要。 |
ニッケル (Ni) 「ホワイトゴールド」 「プラチナ」 |
耐蝕性が高く安価のため、割金以外にも、ホワイトゴールドのロジウムメッキなどにも用いられる。 |
ルテニウム(Ru) 「プラチナ」 |
変色しづらく、アレルギーのリスクも少ない |
イリジウム(Ir) 「プラチナ」 |
変色にも強くアレルギーも起こりにくいがプラチナよりも希少価値が高い |
Pt900ジュエリーの割金はいくつかありますが、ほとんどのブランドがパラジウムを使っています。そのためパラジウムに対するアレルギーは要確認ですが、変色への心配はあまりないでしょう。
ニッケルは変色には強いですが、割金の中でもっともアレルギーを起こしやすい素材ですのでアクセサリーを選ぶ際には注意が必要です。
それでは次は、生活の場面ごとに、変色への注意点を確認していきます。
お風呂や水道水で変色するの?
銀や銅でも、水道水による変色は起こりません。
銅は空気中の酸素では徐々に酸化しますが、鉄のように水濡れが錆びの原因になることはほとんどありません。
銀は金やプラチナと同じく酸化しません、錆びない金属です。
塩化の原因となる塩素が水道水には含まれていますが、微量なため変色の心配はありません。
ただし、入浴時のシャンプーや入浴剤に含まれている「硫化ナトリウム」は、銀や銅と反応して変色の原因となりますので注意が必要です。
お風呂に入る前にはアクセサリーを外しておいた方が良いでしょう。
温泉で変色するの?
天然温泉は含まれる硫黄成分が銀と反応して、硫化による黒ずみの原因となりますので、アクセサリーを外してから入浴した方が良いでしょう。
またホワイトゴールドにはロジウムメッキが施されているため、露店風呂の岩などにこすって傷つく恐れもあります。
海水で変色するの?
海水には塩素が含まれていますが、水道水と同じく量がわずかですので、18金やプラチナ900のジュエリーなら変色の心配はないでしょう。
また海水の塩分も銅や銀の変色の原因になることはほぼありません。
遊泳後、通常通りに真水のシャワーを浴びる程度で十分でしょう。
ただし、金やプラチナのアクセサリーにとって、海には別のリスクが潜んでいます。
岩場や細かい砂によってアクセサリーが傷ついたり、遊泳中に紛失してしまうリスクです。
以上のことから海水浴をするときは、大切なアクセサリーを外しておいた方が安全でしょう。
変色の原因ごとの対処法 3つ
アクセサリーやジュエリーが変色してしまったときは、まず原因をチェックしましょう。表面的な汚れなら、柔らかめの布やクリーニング用のクロスで軽くぬぐうだけできれいになります。ただし、ついてすぐなら拭き取れる汚れでも、長時間にわたって放置しておくとこびりついて取れなくなることがありますので、こまめにお手入れをすることが大切です。
アクセサリーやジュエリーの場合、配合される割金がほかの物質と結びつき、変化することで色味が変わります。つまり変色してしまう原因は、理科の授業で習った「化学反応」です。化学反応にはさまざまな種類があるため、対処するには変色の原因となる現象について知っておくことも大切です。原因別の対処法をみていきましょう。
酸化による変色の対処法
酸化とは、金属などの物質が酸素と化合することです。
金属が酸化すると錆びるというのは、多くの人が知っていること。金属には錆びやすいものとそうでないものがあり、たとえば鉄は錆びやすい金属の代表的です。
ジュエリーに使われる「銅」も、実は酸化します。銅はK18などの金合金を作るときに割り金として使われることが多い金属であり、「使っているうちに黒ずんできた」といった場合は、素材に含まれている銅の酸化が原因です。
銅の酸化による黒ずみを取り除くには、物質から酸素を取り除く「酸化還元反応」を利用しましょう。
一番簡単なのは、ジュエリー全体をお酢やレモン汁にひたす方法です。酸化銅と酢酸が反応して酢酸銅になり、瞬間的に色合いを取り戻すことができます。
ただし宝石があしらわれているものだと、種類によっては石を傷めかねません。クロスで磨くだけにとどめるか、あるいは専門店に依頼したほうがいいでしょう。
含まれている銅の量が多いほど、変色しやすいジュエリーだといえます。銅を多く使って赤みを強くしている「ピンクゴールド」は、特に酸化による色の変化に気をつけなくてはいけません。
硫化による変色の対処法
硫化とは、金属などの物質が硫黄成分と化合することです。
日常生活でもっとも身近な硫黄といえば「温泉」。うっかりジュエリーをつけたまま温泉に浸かってしまい、気がついたら黒く変色していた、なんていうこともあり得ます。国内には硫黄濃度の高い温泉も多く、万座温泉や箱根温泉などはその代表格です。銀は硫化して硫化銀になると、あっという間に元の色が分からないくらい黒ずんでしまうので、ショックも大きいでしょう。
ジュエリーに使われる金属で硫化しやすい代表的なものは「銀」です。そのため、シルバーアクセサリーはもとより銀が多く含まれている「イエローゴールド」も特に注意しなくてはいけません。硫化による変色は、酸化と同様に還元反応を利用してきれいにすることができます。
用意するものは、
・熱湯
・アルミホイル
・重曹(もしくはベーキングパウダー)
・ジュエリーをつけ込むための容器(ボウルや食器など)
以上の4つ。
まず容器にアルミホイルを敷いてそこにジュエリーを置き、大さじ1杯程度の重曹(もしくはベーキングパウダー)をふりかけます。
そこへジュエリー全体が浸かるくらいの熱湯を注ぎ入れましょう。アルミニウムイオンによって酸化銀が還元され、あっという間にきれいにしてくれます。
塩化による変色の対処法
塩化とは、金属などの物質が塩素成分と化合することです。
塩素系漂白剤などに触れることによって起こります。
塩化による黒ずみは還元反応では落とせません。最終的には、専門業者に依頼して研磨して黒くなった部分を削り落とすなどするしかないでしょう。
銀も銅も塩化するため、イエローゴールドやピンクゴールドのジュエリーは注意が必要です。塩素系漂白剤を扱うときは、あらかじめ指輪などを外しておくようにしましょう。
アクセサリーを綺麗に保つためのお手入れ方法 4選
普段の生活でアクセサリーが変色する原因となる主なものが、汗や皮脂によるものです。
プラチナジュエリーの場合はゴールドほど変色の心配はありませんが、それでも汗や皮脂は表面的な汚れの原因となります。
柔らかい布で拭く
もっとも手軽で日常的にやって頂きたいお手入れ方法がこちらになります。
アクセサリーを外したらそのまま放置せずに、こまめにクロスで軽く拭いてあげましょう。
これにより目に見えないフレグランスや整髪料などの成分も落とすことができます。
中性洗剤で洗う
こちらは月に1回、汗をかきやすい夏場には週に1回程度、やって頂きたいお手入れ方法です。
定期的に行うことで、拭き掃除では落ちない汗や皮脂のたまった油汚れを浮かせて落とすことができます。
手順は以下の通りです。
・Step.1 ぬるま湯にアクセサリーを浸す
まず、コップやボウルなどの容器にぬるま湯を注ぎ、台所用中性洗剤を数滴たらします。
そこにアクセサリーを浸し、汚れを浮かせます。
このとき、アクセサリーに宝石がはめ込まれている場合は注意が必要です。
ダイヤモンドやルビー、サファイアであれば問題ありませんが、真珠や琥珀、珊瑚、エメラルド、ターコイズ、ラピスラズリなどについては、水や熱に弱いためこの方法はNGです。
これらの宝石のついたプラチナ製品のケアについては、購入店やジュエリー専門店に尋ねてください。
・Step.2 綿棒などでこすり洗いをする
数分ほど浸けて汚れがふやけてきたら、綿棒やブラシなどで取り除いていきます。
特に、刻印のくぼんだ部分は汚れがたまりやすいので、ていねいに磨いてあげましょう。力の入れすぎに気を付けて優しくこすってください。
ブラシもやわらかいものを使用し、そこまで汚れが気にならない場合は筆でも大丈夫です。
炭酸水を使う
上述の方法でも落としきれない頑固な汚れには、炭酸水を使うという方法もあります。
これはプロのクリーニングに用いられる、業務用超音波洗浄機の超音波の衝撃を、炭酸の泡で代用したものです。
ぬるま湯に市販の強炭酸水を加えるだけですが、プロ仕様の機材には威力で及びません。
炭酸のシュワシュワに当てながら、やわらかいブラシなどで優しく磨くとよいでしょう。
注意点として、炭酸は弱酸性なので、真珠やサンゴ、ターコイズなど酸に弱い宝石がついている場合は使用を避けてください。
重曹を使う
炭酸水のほかに、家庭の便利グッズとして知られる重曹が、金やプラチナアクセサリーの洗浄にも活躍します。
重曹を子供用の柔毛歯ブラシや綿棒などにつけ、水で濡らして気になる箇所をていねいに磨きます。
このとき、重曹の量は控えめにして、力をあまり入れずにこするのがポイントです。
研磨したあとは、ぬるま湯で残った汚れを洗い流し、しっかりとふき取りましょう。
また、重曹は化学的には「炭酸水素ナトリウム」と呼び、炭酸水の原料にもなります。ドラッグストアなどで重曹のほかにクエン酸を購入すれば、家庭でも簡単に洗浄用の炭酸水を作ることができます。
アクセサリーを長く使うための保管方法 2選
大切なジュエリーやアクセサリーは、いつまでも美しくしておきたいですよね。そのためには前述したお手入れをしっかりと行うこと、そして外したアクセサリーを守るための保管方法も重要です。
複数のジュエリーを裸のまま一緒にしてしまっておくのは、キズの原因ともなりますのでNGです。
1つだけなら、買ったときに付属品で付いてくる専用ケースで良いですが、複数を保管する場合は下記の方法をおすすめします。
ジュエリーボックスに保管する
ジュエリーボックスは頑丈な作りになっていますので、誤って踏みつけたりしても、中のアクセサリーをしっかりと守ることができます。
ご自宅でジュエリーを保管するにはもっとも安全な保管方法です。
価格も¥1,000-程度から購入することができます。
ジュエリーポーチに保管する
画像引用 amazon
持ち運びに便利なポーチもおすすめです。
複数のアクセサリーを可愛らしく保管することができます。
ただし、ボックスとは違い外圧には弱いため、踏みつけたりしないよう注意しましょう。
こちらも¥1,000-程度から購入することができます。
まとめ|金・貴金属を売るならウォッチニアン買取専門店まで
今回はアクセサリーの変色原因やお手入れ方法をご紹介しました。
お話しました通り、アクセサリーの変色には必ず原因があります。
アクセサリーが変色したときは「なぜ!?」「どうして!?」とあせらずに、こちらの記事でご紹介したご自宅でできる対処方法をまず試してみてください。
宝石のついているアクセサリーについては石の種類によって対処方法が変わってきます。
特にデリケートな「真珠」「エメラルド」「オパール」「オニキス」「翡翠(ヒスイ)」「珊瑚」「ターコイズ」などが付いている場合は、専門のジュエリーショップに相談してみてください。
最後に何度も申し上げますが、「こまめな拭きそうじ」がアクセサリーを長くお使い頂く上でもっとも大事なことです。
みなさんも日頃のお手入れをしっかり行って、大切なアクセサリーと長くお付き合いくださいませ。
またアクセサリーを手放す際はぜひ買取専門店「ウォッチニアン買取専門店」をご利用ください。経験豊富な鑑定士がお客様の大切なアクセサリーを丁寧に鑑定させて頂きます。
変色していたり、錆びや破損があっても問題ございません。手数料などは一切かかりませんのでお気軽にお申し付けください。