知られざる金の特徴【硬度や沸点】金は柔らかいって本当?

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金・プラチナ

山吹色に輝く金。

金は、高価な金属として知られていますが、それ以外にも他の金属にはないさまざまな特徴や性質があります。

その特徴の中には、一般にはあまり知られていない以外な事実もあります。

今回は皆さんがよく知っている金の、知られざる特徴についてご紹介します。

金とは?

金とは、金属元素であり、第11族元素に分類される金属のことです。

第11族元素は、IUPAC形式の周期表で「第11族」に分類される元素のことで、金の他にも銀や銅などが該当します。

元素記号は「Au」で表されます。これはラテン語で金を意味する「aurum」が由来です。

金と人類との歴史は長く、最古のものは紀元前6000年前の古代メソポタミア文明に金についての逸話が残されています。

金はあらゆる金属の中でも、比較的価値が高いものであり、今日までさまざまな分野で重宝されてきました。

ちなみに、金は金鉱山の鉱石から採取できますが、採れる量はごくわずかで、希少性が高い金属です。

それでは、金の特徴について詳しくご紹介します。

金の特徴|柔らかい

金の特徴としてまず挙げられるのが「柔らかさ」です。

金はほかの金属と比較すると柔らかく、加工しやすい特徴を持ちます。

金は叩いて薄く延ばせるだけでなく、髪の毛よりも細く加工できます。

ただし、装飾品として加工する場合は、柔らかすぎて逆に加工が難しいので、純度100%の純金が装飾品の素材として使われることはほとんどありません。

主な金属の硬度(ビッカース硬さ)を下の表にまとめました。

金属の種類

硬度(Hv)

22

25

100前後

4

プラチナ

50前後

チタン

110~150

110

参考までに地球上で最も硬い物質であるダイヤモンドはビッカース硬さが「7140~15300」もあります。

展延性

展延性とは「薄く延ばせる特徴」のことです。

金箔が分かりやすい例でしょう。

わずか1gの金を叩いて延ばすと、1平方メートルにまで延ばすことができます。

また、1gの金を線のように引き延ばしていくと、およそ3000mにまで達するといわれているのです。

金は力を加えても砕けることなく、変形していきます。京都の金閣寺などはこの展延性が建造を可能にしました。

金の特徴|劣化しにくい

金は劣化しにくい金属です。

なぜ劣化しにくいかというと、化学的に非常に安定しており「酸化しにくい」からです。酸にもアルカリにも強い耐性を持ちます。

ただし、金の純度によっては注意が必要です。

アクセサリーによく使われる18金は金が75%に、金の硬度を高める目的で「割金(わりきん)」というその他の金属が配合されています。

この割金には変色しやすい銀や銅が用いられることが多いのです。

金が溶ける!?

金が安定した金属であることはお伝えした通りです。

ところが、そんな金を溶かすことのできる液体があります。

それが「王水(おうすい)」です。

王水は「濃硝酸と濃塩酸を1:3の割合」で混ぜて作られ、酸化する力が非常に強いため、金をも溶かしてしまうのです。

王水以外に「うがい薬に含まれているヨウ素」にも金を溶かす力があります。ヨウ素は王水ほどではありませんが、酸化する力があり、しかも金イオンを安定化させてしまうため、一度溶けた金は液体の中に散らばっていき、纏まることなく次々と溶けだしていくのです。

金の特徴|重い

ここでいう「重い」とは「他の金属と比べて比重が大きい」という意味になります。

比重とは簡単にいえば「同じ体積の水と比べてどのくらいの質量があるか」ということです。

金を始め主な金属の比重値を下の表にまとめましたのでご覧ください。

金属名

元素記号

比重(g/㎤)

Au

19.32

Ag

10.50

Cu

8.96

プラチナ

Pt

21.45

パラジウム

Pd

12.02

Fe

7.874

Pb

11.35

チタン

Ti

4.54

アルミニウム

Al

2.7

これをご覧いただいても金がいかに重いかがわかると思います。

この比重は金の純度を調べる際にも参考にされる値です。

こちらの記事で金の純度を調べる「比重検査」について詳しくご紹介しています。

関連記事:金の比重の計算方法|比重検査で金の純度を調べよう

金の特徴|熱や電気伝導率が高い

金の特徴として、「熱・電気伝導率が高い」というものが挙げられます。

金属の中でも、熱・電気伝導率が高いことから、工業用品として活用されています。

特に、電気伝導率の高さは、電気関連の工業において重要な特徴といえるでしょう。

金の沸点は何度?

金は沸点は何度くらいなのでしょうか?

他の金属と合わせて以下の表にまとめましたのでご覧ください。

【金属の沸点】

金属の種類

沸点

2857度

2162度

2571度

亜鉛

907度

アルミニウム

2520度

黒鉛

3370度

チタン

3289度

2863度

上記の表の通り、金の沸点は2857度であり、他の主要の金属と比較しても大差はありません。

ちなみに、最も沸点が高い金属は、宇宙船の材料としても使われる「レニウム」と呼ばれるもので5596度です。

火災で溶けたり変形しても価値は変わらない

金は、万が一火災で溶けたり変形したりしても、ほとんど価値が変わらないという特徴があります。

金は沸点が2857度と極端に高いわけではありませんので、火災に遭遇すると溶けてしまう可能性はあります。

しかし、一度溶けて形状が変わってしまっても、重さが溶ける前と同じであれば、価値が下がってしまうことはないのです。

同様に、強い力を加えたことで金が歪んでしまっても、価値が低くなることはなく、売却する場合であっても買取額が低くなるという心配がありません。

金の用途

他の金属にはないさまざまな特徴を持つ金は、用途も多様です。主なものをいくつかご紹介します。

・宝飾品

・工業用品

・医療機器

・通貨

・投資資産

金の用途については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。

関連記事:金の用途はどんなものがある?|主な性質も解説します

まとめ|金・貴金属を売るならウォッチニアン買取専門店まで

金は人類にとって欠かすことのできない金属であり、生活の身近なところにも使われています。

今回は金のさまざまな特徴をご紹介しましたが、中には意外なものもあったのではないでしょうか。

金は価格の面だけでなく、性能面においても人にとって価値の高い金属です。

皆さんもこれをきっかけに金について調べてみてはいかがでしょうか。

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