世界で一番硬いといわれている宝石ダイヤモンドは燃えるのか?

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ダイヤモンド

唯一無二の存在感を放つ宝石の王様「ダイヤモンド」。

見た目の美しさもさることながら、その硬さはモース硬度10といわれ、宝石界でトップクラスです。

そんな硬くて美しいダイヤモンドですが、実は熱に弱いという一面があるのをご存知でしょうか。ダイヤモンドは高温で熱すると燃焼し、最終的には消えて無くなるといわれているのです。

そこで今回は、ダイヤモンドが燃える科学的な理由と、燃え始める温度について詳しく解説します。

硬い宝石「ダイヤモンド」は燃えるのか?

ダイヤモンドは、地球上に存在する物質の中で一番硬いといわれている石です(※)。

その硬度の高さから「何をしても壊れなさそう」というイメージを持たれがちですが、傷に強い一方で熱に弱いという一面を持っています。

事実、ダイヤモンドに熱を加えると、鉄を熱したときのように光りながら徐々に軟化し、表面がポロポロと剥がれ落ちるようにして燃えていきます。そしてそのまま高温の状態が続くと、ダイヤモンドは次第に小さくなり、最終的には二酸化炭素に変化し消滅してしまうのです。

ただし、バーナーやガスコンロ程度の火力で、ダイヤモンドが燃え尽きることがありません。しかしながら、熱を加えることで変色したり表面が曇ったりする可能性があるため、興味本位で火にかけるのはやめたほうがよいでしょう。炭化したダイヤモンドは、宝石としての価値が無くなってしまいます。

(※)近年「ロンズデーライト(六方晶ダイアモンド)」と呼ばれる地球外物質(隕石の一部)が、ダイヤモンドよりも硬いとして注目され、世界で一番硬い石はダイヤモンドではないといわれることもあります。しかしながら、地球上にある石としては、ダイヤモンドのモース硬度10が最高値であることに違いありません。ただし、地球上で一番硬いもの質は「ウルツァイト窒化ホウ素」と呼ばれる、火山の噴火により生成される残留物であるといわれています。

なぜダイヤモンドは宝石なのに燃えるのか?

皆さんのなかには「宝石=燃えないもの」と認識している方も多いと思います。

しかし実際は、複数原子で構成された燃えにくい物質であるというだけで、それぞれの耐熱温度を超えると変色や劣化などの影響が出ます。ですが、ダイヤモンドのように気化して物体そのものが無くなることはありません。

では、なぜダイヤモンドだけが燃えて無くなってしまうのか。それは、ダイヤモンドが単一原子で構成された宝石だからです。

そもそもダイヤモンドとは、炭素と炭素が結合した結晶体で、その密接な結び付きによって非常に高い硬度を保っています。一方で、炭素には燃えやすいという性質があるため、炭素が結合したダイヤモンドもまた燃えやすいということになるのです。

ダイアモンドが燃え始める温度

ダイヤモンドに600℃程度の熱を加えると、黒鉛化が始まります。

そして、800℃以上の温度になると軟化し、炭化が進みます。

さらに1000℃以上の温度で1時間以上熱し続けると、二酸化炭素となり完全に消滅します。ガスコンロの強火が大体200〜290℃といわれているので、日常生活の中で1000℃以上の火力を使う機会はなかなかないでしょう。そのため、普段どおりに使用している分には、熱による劣化などを心配する必要はありません。

大切な形見であるダイヤモンド。一緒に火葬していいの?

故人が大切にしていたものを「棺に入れてあげたい」と考えるのは、残された方たちの心情ではないでしょうか。生前にダイヤモンドの指輪をしていた方などであれば「指にはめたままにしたい」と考える方も多いことでしょう。

前項で、ダイヤモンドは高温で燃やせば気化するとお伝えしましたが、火葬時に一緒に燃やしてもよいのでしょうか?

火葬時にダイヤモンドを一緒に入れるのは基本的にNG

「高温で燃やせば無くなるのだから、ダイヤモンドは燃えるものでしょ?」と思う方も多いでしょうが、残念ながら火葬場では「燃えないもの」として扱われています。

そのため、棺へ入れるのは基本的にNGです。また、金属も棺に入れてはいけないという決まりがあるため、ダイヤモンドの指輪は宝石とリング部分どちらを取っても棺には入れられません。


なお、火葬炉の温度は最高1200℃まで上昇し、通常焼却には2〜3時間程度かかることから、火葬場の忠告を無視して指輪を入れた場合でも、ダイヤモンド自体は消滅する可能性が高いでしょう。しかしながら、溶け出した金属やダイヤモンドが遺骨に付着する恐れがあるため、絶対に入れないようにしてください。

ダイヤモンドを燃やさないために日常生活で気を付けること

日常生活でダイヤモンドが燃え尽きる程の温度に触れることはないため、特に気をつけることはありません。とはいえ熱に弱いのは事実なので、ダイヤモンドを保管する際は火気厳禁を徹底しましょう。

ただし、火災への備えは最低限しなくてはなりません。火事の温度は、火災発生から1時間で900℃以上となり、ダイヤモンドが軟化し始める温度を超えます。また、2時間以上経過すると1000℃を超え、そのまま燃焼が1時間以上続けばダイヤモンドは二酸化炭素となり気化してしまいます。

そのため、ダイヤモンドを家で保管する場合は、耐火金庫の中にしまっておくのがおすすめです。最近では、大きいものだけでなく、小型で持ち運べるタイプの耐火金庫も増えています。また、手提げタイプのものであれば、火災の際に持ち出すことも可能です。なお、耐火金庫の庫内温度は、180℃以下が推奨されています。そのため、耐火金庫を購入する際は、庫内温度を177℃以下に保つ商品のみに認定される「ULマーク」が付いたものを選ぶと安心です。

燃えたダイヤモンドでも売却は可能!まずは査定依頼から。

燃えてしまったダイヤモンドでも、買い取ってくれる業者は存在します。

ただし、変色や変形など、見た目に大きな影響がある場合、買取額の値下げは避けられないでしょう。

ただし、燃えてしまったものでもダイヤモンドとしての価値は変わりません。煤が付いていたり黒く変色したりしている場合は、その部分のみをカットして再販することも可能なので、捨てるくらいであれば一度査定に出してみるといいでしょう。


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