腕時計ブランドの王様と聞いて、多くの人が名を挙げるほどの人気と知名度を誇るロレックス
しかし、その需要の高さ故にロレックスの偽物は非常に多く、コピー品を作る技術も年々高くなっています。
最新技術で精巧に作られた偽物のロレックス、スーパーコピーといったものは専門知識がなければ見分けが困難になっており、本物と偽物の見分けがつかず購入してしまうケースも。
そこで今回は、現役鑑定士がロレックスの本物と偽物を見分ける方法について、各部のポイントごとに解説致します。
目次
偽物を見分ける基本の4ポイント【まずはここを確認しよう】
まずはロレックスの偽物を見分ける基本ポイントご紹介します。
ロレックスの偽物は年々精度が上がってきており、見るポイントも少しづつ変わってきてはおりますが、見るべき基本部分がございます。
まずは「偽物かも?」という違和感に気づくことが重要。
違和感に気づいた場合は、細部についてひとつひとつ確認し、偽物である状況証拠を積み重ねていき、「総合的に判断して偽物と断定する」という流れになります。
この時決して、1か所だけ見て判断するのは止めましょう。
部分部分で見れば精巧なコピー品であれば見分けが難しく、誤認する可能性が高くなります。
これから紹介する各ポイントを確認し、総合的に判断するのが大切です。
全体の見た目
精巧なコピー品は一見しただけで偽物と判別するのは困難。
プロの鑑定士はまず全体を見たときに、「なんか違うぞ」という違和感をきっかけにして偽物の可能性を疑います。
そこから細部の確認に入るという手順です。
まず時計全体を見て、色味や仕上がりに違和感がないかチェックしましょう。
本物
本物はベゼルや文字盤の塗りがキレイで、色味も深いのが分かります。
ベゼルの文字もはっきりとしていて綺麗です。
また一つ一つの文字がくっきりはっきりしていて立体感があるのがお分かりになるかと思います。
偽物
偽物は本物と比べて全体的にくすんだ印象を受けます。
ベゼルの色も本物より浅く、黒みがかっていますね。
またベゼルの文字も本物より線が細く黒みがかっています。
文字盤も本物と比べるとグリーンが強いのが確認できますが、この点は本物を見慣れた方でないと判別が難しいかも知れません。
王冠マークのロゴ
全体の見た目で違和感を感じた場合は、次にロゴマークを確認します。
ロゴマークはブランドの顔とも呼べる部分であり本物ならばコストをかけて作られているので、偽物と見分ける判断材料になります。
ただし、本物であっても製造年によって多少変化が見られますので、ロゴマークだけでは決め手に欠けるでしょう。
本物
本物のロゴマークは塗りが非常に丁寧で塗料のはみだしなどもありません。
細いラインも美しく描かれています。
またルーペを使って拡大すると立体感があることも確認できます。
偽物
偽物のロゴはプリント加工だったり、手塗りであっても低品質のため本物と比較してのっぺりした印象。
縁取りのラインがガタついており整っていないのが分かります。
このコピー品はロゴマークの出来が悪く、見分けが付きやすいですね。
王冠透かしマーク
増えすぎた偽物への対策としてロレックスが採用したのが「透かし」です。
1999年にヨットマスター ロレジウムに初めて導入され、2003年にはミルガウスのグリーンサファイアガラスを除くほぼ全てのモデルに王冠マークの透かしが採用されております。
メーカーが公式に偽物との判別を目的として取り入れたものですので、「透かし」の確認も押さえるべき基本ポイントになるでしょう。
本物
画像は高倍率のデジタルカメラで撮影したもので、透かしマークがはっきりと見て取れますが、本物の透かしマークは肉眼ではほとんど見えないのが特徴です。
「見る角度によって薄っすらと見える」という絶妙な見え具合なのが本物の透かしマークだと覚えておきましょう。
偽物
透かしマークは画像だと本物と偽物の違いがほとんど分かりません。
ですが肉眼で確認して、透かしマークがはっきりと見えすぎているようならば偽物の可能性が高いです。
ガラス面に繊細な透かしを入れるのは高い技術が要るため、悪徳業者がこれをコピーしようとしても刻印が濃くなってしまうわけです。
バックル内側の刻印
本物と偽物を見分ける際に文字盤や針など、目立つ部分はコピー業者も注力して真似ていますので精巧な模造品だと判別が難しい場合もあります。
だからこそ、確認したいポイントが普段は見えないバックルの刻印。
ものによってはここを見るだけでも偽物を見分ける大きな判断材料になりますので、しっかりチェックしましょう。
本物
本物は凹凸がしっかり掘られ陰影がはっきりしています。
偽物
偽物になると彫りが浅く薄っぺらい感じ。
彫りのラインもギザギザしていて綺麗ではありません。
本物
本物は小さな刻印もしっかり掘られ鮮明に確認できます。
偽物
細かな刻印になればなるほど技術を要するため、偽物の刻印は薄くかすれていて、質の低さがすぐに見分けられますね。
普段は見えない部分で見落とされがちだからこそ、こういった細部を見ることで偽物を判別することができます。
より詳細に偽物を見分ける4ポイント【プロはここまで見る】
ここからはプロ鑑定士がチェックする細部の見分け方について説明していきます。
ベゼルと金属部分の見た目
ベゼルの発色や光沢、高級感、そして金属部分の仕上がりもチェックすべきポイントです。
本物
2005年以降、スポーツモデルの回転ベゼルには「セラクロム」と呼ばれるハイセラミックが使用されています。
セラクロムは傷や退色に強いだけでなく、ポリッシュ(研磨)されているため、本物のベゼルには艶のある光沢が見て取れます。
一部の金無垢モデルを除き、目盛り部分には変色に強いプラチナがコーティングが施されておりますので色のくすみもなくキレイです。
また金属のカット部分も丁寧にポリッシュされ、滑らかで美しいのがお分かりになるかと思います。
偽物
偽物のベゼルは発色も沈んでおり、本物と比べて光沢がなくマット調です。
目盛りも特別なコーティングがなされていないため、サビや変色が確認できます。
金属のカット部分についても磨き仕上げがされていないため、断面がギザギザしていますね。
インデックスの仕上がり
インデックスの仕上がりも偽物を見分けるチェックポイント。
精巧に作られたコピー品の場合は、本物と並べて見比べないと違いが分からないこともありますが、金属の縁取り部分や蛍光塗料の塗りなどで判別可能です。
本物
本物のインデックスは金属の縁取りも均一な幅で、塗料の塗りムラもありません。
またフチ部分のエッジも面取りされており、滑らかな仕上がりです。
偽物
偽物のインデックスは金属の表面に凹凸が見られます。
縁取りも本物に比べて幅が狭く安いっぽい印象です。
塗りには違いが見られませんが、蛍光塗料を発色させた場合にムラができることがあります。
針の仕上がり
精密な加工技術が必要な針の仕上がりも偽物を見分けやすいポイントです。
針を見る時は「エッジ」に注目して確認してみましょう。
本物
本物はエッジが丁寧に面取りされているため光がムラなく当たって陰影が美しいのが見て取れます。
偽物
対して偽物はエッジの仕上げが不十分なため、凹凸ができています。
短針の曲線や先端を見てもムラがあるのが分かるでしょう。
文字盤の色味
文字盤の色味は、本物をよく知らなければなかなか見分けるのが難しい部分ではありますが、並べてみるとその差は歴然とします。
本物
本物の文字盤は深い色味があり、滑らかな光沢があります。
しっとりした艶があるのが確認できます。
偽物
偽物の文字盤は色に深みがありません。
同じグリーンでも本物と比較すると、偽物はさっと表面だけ塗装したような感じです。
質感も本物のように滑らかでなく乾いた印象を受けます。
偽物を見分ける|その他のポイント
最後に見た目だけでなく、手触りや使いやすさ・音などから偽物を見分けるポイントをご紹介します。
ブレスレットの手触り
ロレックスの本物と偽物は「触り心地」でも見分けられます。
本物のロレックスは面取りしてあるので、角に触れても手触りはなめらかで痛さを感じません。
偽物の場合は面取りしていないので「尖った感覚」があります。
文字盤6時の英数字フォント
「文字盤6時位置の英数字の書体」でも偽物を見分けられます。
本物は英数字がゴシック体。
明朝体であったり、ゴシック体が崩れて明朝体のように見える場合は偽物を疑った方が良いでしょう。
リファレンスナンバー(型番)とシリアルナンバー
ロレックスは、ラグ(時計とブレスを繋ぐ場所)にリファレンスナンバー、つまり型番を刻印しています。
ブレスを本体から外して、12時側のラグをチェックしてみてください。
本物であれば、丁寧な刻印があります。
偽物の場合は、レーザーでリファレンスナンバーを印字しています。
またラグにはシリアルナンバーも刻印されています。
シリアルナンバーは保証書にも記載されていますので、番号に相違がある場合は偽物の可能性が高いです。
ブレスレット部分のネジ
ロレックスは細部まで職人が丁寧に作っていますので「ネジ」「ネジ穴」の仕上がりでも偽物を見分けられます。
本物はブレスのネジとネジ穴を見たとき隙間なく作られていますが、隙間が生じ雑な作りになっている時は偽物を疑いましょう。
リューズの使いやすさ
リューズ(ネジ巻き部分)の使いやすさで、ロレックスが偽物かどうかを見分けられることがあります。
本物のロレックスは、リューズを巻くときに痛みを感じないようにギザギザの先端をなめらかに加工しています。
また、ガードから少しギザギザがはみ出しているので、操作しやすいのが特徴。
しかし、偽物はリューズのギザギザの先端が鋭く、巻くときに痛みを感じることがあります。
また、リューズのギザギザがガードからはみ出しておらず、巻きにくさを感じる場合も多いです。
バネ棒の取り付け穴
バネ棒の取り付け穴の差し込み具合でも偽物かどうか確認できます。
ロレックスは細かな部品にもこだわっていますので、本物であればバネ棒がぴったりと収まっています。
一方、偽物の場合、バネ棒の取り付け穴は本物よりも大きく、バネ棒を差し込むと緩みを感じます。
裏の蓋
ロレックスの裏の蓋を見ると、本物かどうかがわかります。
本物は、蓋のギザギザ部分の処理が丁寧で繊細です。
しかし、偽物はギザギザの処理が甘く、乱雑な仕上がりです。
カレンダー
デイト機能があるロレックスの場合は、日付(カレンダー)でも偽物を見分けられます。
本物は数字が綺麗で、にじみやかすれはありません。
また、表示枠の中央に数字が配置しています。
しかし、偽物は数字のインクが剥がれていたり、にじんでいたりするうえに、数字が表示枠の中心からややずれて表れます。
ベゼルの形状
ベゼル(時計周りの枠)の形状もチェックポイントです。
本物のロレックスは、ベゼルの外側に施してある凹みの大きさや深さが均一で、ベゼルを横向きにしたとき、凹みの内側に縦線の磨き跡があります。
しかし、偽物はベゼルの凹みの大きさや深さが不揃いです。
凹みの内側は、磨き跡も横向きで、本物とは違った仕上がりです。
ダイヤモンドの輝き
ダイヤモンドを使っているモデルの場合、これも重要なチェックポイントです。
ロレックスは、「キラキラと輝くもの」「内包物がないもの」を厳選しています。
しかし、偽物はダイヤモンドに内包物があったり、輝きがイマイチだったりします。
蛍光塗料(ルミナスポイント)
ロレックスの人気モデル「シードゥエラー」「サブマリーナ」などは、蛍光塗料(ルミナスポイント)があり、偽物と本物とで見た目が異なります。
本物は、枠となる部分に蛍光塗料がぴったりと収まっていますが、偽物は塗料が少量でくぼんでいたり、単にインクを垂らしたように盛り上がっていたりします。
ムーブメントの音
ロレックスは、ムーブメントの駆動音でも偽物と本物がわかることがあります。
本物は腕時計に耳をあてたとき、「シュルシュル」というゼンマイがほどけていくときのなめらかな音がします。
乾いた印象の軽い音が聞こえてきたら偽物の可能性があるでしょう。
着け心地
ロレックスは、細部まで丁寧に作りこまれていますので、本物であれば着用したときに違和感や痛みを感じることがありません。
着用してみて「付け心地が悪い」「肌にあたる部分が痛い」と感じたら、偽物の可能性があります。
自分の感覚頼りになってしまいますが、実際に着用して「付け心地」をチェックしてみてください。
偽物の売買は違法!買取もできません
ロレックスに限らず偽物のブランド品を売買すると「商標法違反」や「商標権侵害」に当たり、罪に問われると「10年以下の懲役」または「1,000万円以下の罰金」を課されます。
当然、偽物はリユース業者でも買取不可です。
ただし、本物か偽物か判断できない品物の鑑定依頼だけなら特に問題はありません。
ロレックスをお持ちで真贋に自信のない方も査定依頼はお気軽にお申し付けください。
鑑定の結果「偽物」と判断された場合ですが、弊社ではお客様へ「偽物」とは明言せずに「こちらの商品はお買取できません」といった言い方でお返ししております。
まとめ|ロレックス査定ならウォッチニアン買取専門店まで
ロレックスは人気が高いがゆえにコピー品としてターゲットになりやすく、現在は数えきれないほどの偽物があるだけでなく、「コピー品専門店」まで存在します。
品物によっては鑑定士でなければ難しいものもございますが、今回ご紹介した偽物の見分け方を正しいロレックス選びの参考にして頂ければと思います。
またお手持ちのロレックス売却をお考えの方はぜひウォッチニアン買取専門店をご利用ください。
弊社は買取に特化した専門店で、時計市場に精通した経験豊富な鑑定士が各店に在籍しております。最新価格をスタッフ全員で共有しており、お客様の大切なロレックスを最新相場で高価お買取が可能です。
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手数料なども一切かかりませんので、どうぞお気軽にお申し付けください。