「アレキサンドライト」
名前の響きもなんだか神秘的な宝石ですが、「ダイヤモンド」「ルビー」「サファイア」「エメラルド」の世界4大宝石に「アレキサンドライト」を加えて「世界5大宝石」と称されるほど価値の高い宝石です。
希少性の高さから「宝石の王様」とも言われるアレキサンドライト。
今回はその意味や特徴・希少性についてお話していきます。
アレキサンドライトとは?意味や石言葉
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アレキサンドライトが発見されたのは1830年、ロシアのウラル地方。
見つかった日が、当時のロシア皇太子「アレキサンドル2世」の誕生日であったことから「アレキサンドライト」と名付けられました。
ロシアでは「皇帝の宝石」とも呼ばれ、発見時のエピソードも相まって
・高貴
・誕生
・光栄
・出発
など、皇帝の輝かしい未来を想起させるような意味を持ちます。
石言葉は「秘めた想い」。
パワーストーンとしてのアレキサンドライトには「周囲に流されない強さ」「自分を貫いて生きる強さ」を与えてくれるとされています。
まさに「皇帝の宝石」と呼ぶに相応しい意味と石言葉ですね♪
アレキサンドライトの特徴
アレキサンドライトを語る上で外せないのが、その稀有な特徴である「変色効果」。
昼の太陽光の下では「青緑色」に、夜の白熱光の下では「赤紫色」に発色する非常に珍しい石です。
2つの表情を持つその特性から「昼のエメラルド」「夜のルビー」とも呼ばれます。
アレキサンドライトは、鉱物としては「クリソベリル(金緑石)」の1種。シャトヤンシー効果を持つキャッツアイの仲間です。
クリソベリル自体はありふれた鉱石ですが、シャトヤンシー効果を持つ「キャッツアイ」そしてカラーチェンジ効果を持つ「アレキサンドライト」になると希少性と価値が跳ね上がります。どちらも自然が生んだ奇跡の宝石と言えるでしょう。
また、稀にカボションカット(丸型に研磨)され、カラーチェンジ効果とシャトヤンシー効果をどちらも併せ持つ「アレキサンドライトキャッツアイ」という宝石も存在します。
アレキサンドライトの希少性と価格
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アレキサンドライトの希少性はダイヤモンドをも遥かに凌ぎます。
最初の発見地はロシアのウラル鉱山ですが、19世紀中ごろには閉山しており、それ以後も鉱脈は発見されたものの、数年で鉱石が枯渇しています。
21世紀に入って、「ブラジル」「インド」「スリランカ」などで産出されていましたが、2021年現在では良質のものはほぼ採り尽くしたとみられています。
現在の主な産出地はアフリカの「マダガスカル」「タンザニア」「モザンビーク」などです。
いずれの産出地も、産出量がわずかのため、アレキサンドライトの希少性は今後も変わらないでしょう。
気になる価格ですが、産出される多くが1カラット未満なため、1ctを超える高品質なアレキサンドライトにはダイヤモンド以上に高額で取引されます。
大粒のものだと原石の状態でも1,000万円を超えることもあるそう。
最高品質のアレキサンドライト1カラットで、30~200万円ほどの値が付きます。
産地としてはブラジル産のものが高く評価されており、アフリカ産についても質が高く3カラットを超える大粒の石も採れています。
まとめ
世界的にも希少な宝石「アレキサンドライト」の意味や石言葉などについてご紹介致しました。
変色効果を持つ宝石は他にも「チェンジカラー・サファイア」「チェンジカラー・ガーネット」などがありますが、希少性と価値において「アレキサンドライト」が随一です。
また鉱物的にはありふれたクリソベリルの1種であることも大変興味深いですね。
そう簡単に出会えないからこそ人は「アレキサンドライト」に惹かれ、魅了されるのではないでしょうか。
幸運にも出会えた時は「高貴」「誕生」「光栄」「出発」、石の持つこれらの意味を思い出してみてください。