日本が世界に誇る真珠(パール)の養殖技術。その凄さを徹底解説!

作成日:2018年05月18日
最終更新日:2021年06月15日

宝石

パールの画像

世界中の女性を魅了する真珠(パール)。かつては自然の産物として珍重されていましたが、やはり天然真珠を手に入れることはとても困難でした。そこで様々な人が研究を重ね生み出したのは「真珠(パール)の養殖」です。日本は真珠(パール)の養殖技術がトップレベルで、世界でもその技術や品質が認められているんです。そんなに凄いとは知らなかった!という方も居るかと思いますので、養殖真珠ができるまでの過程や、天然真珠との違いなどを詳しく解説していきたいと思います♪

天然真珠と養殖真珠の違いって?

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現在流通している真珠(パール)は、ほとんどが養殖だと知っていましたか?天然真珠は採ることも困難なうえ、ほとんどが変形した小さなものだったため、その中から状態の良い真珠(パール)を見つけることは至難の業です。そのため真珠(パール)の形成を人工的に作る“真珠養殖”が始まりました。

ただ、天然真珠と養殖真珠では、作られる過程が違うだけで、真珠が作られるメカニズムやその成分は全く同じものなのです。どちらの貝も真珠(パール)が育つためには自然の力が必要不可欠。そこで、天然真珠と養殖真珠の生まれ方の違いを比較してみましょう!

天然真珠ができるまで

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天然真珠は幻の宝石とも言われるほど、出来る確率はかなり少ないです。大まかに説明すると4つの工程があります。

①貝のからだを覆う膜と貝殻の間に異物が入り込む(砂や水中の虫など)

②異物が入ると貝が刺激され、膜が剥がれ落ち、膜の中に入り込む
③破れた膜のかけらが広がり、異物を包み込む(真珠袋ができる)
④異物に反応し、膜内部にも貝殻と同じ成分が形成される←これが真珠

天然真珠はこのように偶然に出来るものなのです。

養殖真珠の工程

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養殖真珠では、先ほどの天然真珠ができるの工程に、人の手を加えることによって生み出されます。その工程は主に5つ。

①母貝(真珠貝)を養殖する

日本で養殖される真珠貝は主にアコヤ貝です。5月に産卵期の為、6月初めに杉葉などを海中に投入し、天然の受精卵で発生した稚貝をその杉葉で育てます。近年では人工授精させてから稚貝に育てるという方法も多く行われています。
稚貝を育てている間は、イカダに吊るして海中に入れ、貝の成長に合わせてカゴの大きさを変えたり、掃除、寄生虫の駆除などを行います。およそ1年半で重さ30~50gとなり、2年半~3年で貝殻は10cmほどに成長します。

②核入れ前の仕立て

真珠(パール)を形成するには、貝の中に異物を入れ込む工程が必要です。メスで切開して「核」というものを挿入するのですが、これは貝にも大きなダメージとなってしまいます。このショックで貝が異物を吐き出すことを防ぐために、4月~6月に核入れされる貝には「卵止め」と呼ばれる、生理活動を抑制して生殖巣の発達を抑制します。

また、6月~10月に核入れする貝の場合は、すでに生殖巣が充実している貝のため、日干しなどをして卵や精子を一斉に放出させて生殖巣を辛にする作業(卵抜き)を行います。これらを行うことで、貝がショック死したり、核を吐き出したりするのを防いでくれるので、真珠養殖ではとても重要な作業と言えます。

③核入れ作業

真珠養殖の根幹になる核入れ作業。核を貝の内部に挿入するために、貝の口を1cmほど開けて、メスや挿入器で送り込みます。貝の内蔵器官を傷つけずに核入れするには繊細でハイレベルな技術を必要とします。

核入れ作業の手順をまとめると、

・貝の口を1cm~1.5cm開けて、台に固定する
・メスで足の基部を切開し、真珠核を挿入する位置までの道のりをつける
・挿入器で核を挿入し、膜を密着させる
・固定の位置に膜の破片を挿入する

④養生する

核入れ手術からのダメージを回復するために、潮の流れが少ない海中の中で、2~3週間木枠に入れて養成させます。その後に、やや潮の流れがある海中のなかで管理して、貝を成長させていきます。アコヤ貝は8度以下や30度以上の水温が続くと死んでしまう為、水温管理や、酸素量、掃除、寄生虫の除去などが必要です。この手間が無ければ真珠(パール)が育たないため、根気強いメンテナンスが大切です。

⑤浜上げする

貝の養殖から始まり、核入れ手術を終え、やっと浜上げの時期がやって来ます。大事に育てられた貝の中では、ひっそりと美しい真珠(パール)が育成されていたというわけです。真珠を取り出した後は、色や形などによって等級別に分けられ、売出されます。天然真珠とは人の手が加わっている点では大きな違いがありますが、真珠(パール)が育つ環境や工程は天然真珠と変わりありません。

日本の養殖真珠はホンモノと変わらない?

ヨーロッパの画像

日本で真珠(パール)の養殖が初めて成功したのは、明治26年。今では有名なジュエリーブランドである「ミキモト」の創業者でもある御木本幸吉が成功しました。かつてはヨーロッパの上流階級だけが持てる貴重な宝石でしたが、この真珠(パール)の養殖が成功したことは真珠(パール)の歴史に残る革新的な出来事でした。

大正に入ると日本の養殖真珠がヨーロッパへ進出しますが、天然真珠を持つヨーロッパの宝石商からは「日本の養殖真珠は模造品」だとして、日本側に訴えを起こしました。これは「パリ裁判」と言われ歴史に残っています。

しかし、著名な科学者に鑑定を依頼した結果、日本の養殖真珠は天然真珠を本質的に変わらないことが分かり、日本が勝訴を勝ち取りました。これにより日本の養殖真珠は世界的にも認められることとなり、真珠(パール)は日本の誇りともいえる宝石となりました。今後も世界中の人々を惹き付けてやまないことでしょう。

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