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「 Ferragamo(フェラガモ)」と略して称されることも多いですが、正式名称は「Salvatore Ferragamo(サルヴァトーレ・フェラガモ)」。シューズブランドから発展し、現在はバッグや香水にいたるまで幅広い展開をしています。
代表的なアイテムは、やはりシューズ。その履いた人の心を元気にするといわれるまでに履き心地のよいシューズは、ブランド設立から現在まで長く愛されています。
今回は世界的なハイブランド、サルヴァトーレ・フェラガモの歴史を辿ります。
靴づくりの神童フェラガモ氏
ブランド名は、設立者であるサルヴァトーレ・フェラガモ氏の名前からつけています。
後に夢の靴職人といわれた彼は11歳の時に靴屋を開業します。信条として、流行を追い求めるだけでなく、足にフィットする履き心地の良い靴を作ることと掲げ、足を痛めない履き心地よい靴づくりを追求するために、生まれ育ったイタリアから南カリフォルニア大学へ進学し、解剖学を学びました。そのため、サルヴァトーレ・フェラガモ氏は顧客の足に触れただけで、その人の体調されもわかったとも言われています。
そんな職人気質で小さいころから靴づくりに携わってきたサルヴァトーレ・フェラガモ氏は、足の細部までサイズを測り、木型を作ってから靴を製作するこの手法や波状のウェッジ・ヒール、フラットフォームソールなど今までに350もの特許を取得しています。
アメリカからイタリアへ
Salvatore Ferragamo(サルヴァトーレ・フェラガモ)の先駆けとして、サルヴァトーレ・フェラガモ氏はその数年前にアメリカのハリウッドで靴屋をオープン。
その時は、サルヴァトーレ・フェラガモ氏が作成した木型に沿って機械で生産をしていました。ですが、完璧を求めて、手作業でひとつひとつ作り出したいと、さらなる高みを求めイタリアへ帰国することにしました。
そうして1927年にスタートさせたのが、Salvatore Ferragamo(サルヴァトーレ・フェラガモ)です。
困難からの進出
イタリアで靴職人集めに苦労したり、やっと集まった職人も協調性にかけ作業が進まなかったり、また1929年の世界不況がとどめとなり、Salvatore Ferragamo(サルヴァトーレ・フェラガモ)は1933年に倒産。
職人気質で続けてきたSalvatore Ferragamo(サルヴァトーレ・フェラガモ)は、これを機にビジネスとして展開を始めます。いままでイタリアで製造し、アメリカに輸出のみでしたが、自国での販売、また先進国へSalvatore Ferragamo(サルヴァトーレ・フェラガモ)を広めることを決めました。
ハリウッドスターや王室御用達のシューブランドへ
サルヴァトーレ・フェラガモ氏が生み出すSalvatore Ferragamo(サルヴァトーレ・フェラガモ)のシューズは、マリリン・モンロー、イングリッド・バーグマン、オードリー・ヘップバーン、ソフィア・ローレンを顧客に持ち、アメリカでの販売のころからハリウッド俳優をはじめ世界のスターを魅了していました。
1939年ごろからはイギリス、オランダ、フランス、スイス、ドイツやローマ、ミラノ、トリノなどエリアを拡大し、イタリアのエレナ王妃、ベルギーのマリア・ホセ王女など世界の王族からも愛されるシューブランドへと成長しました。
ファッションブランドへと発展
1960年、サルヴァトーレ・フェラガモ氏がこの世を去り、妻と6人の子どもがブランドを継承します。
サルヴァトーレ・フェラガモ氏はいつかを考え、生前からそれぞれの娘に製造やファッション、経営などに触れさせていました。そのためシューズだけを展開してきたSalvatore Ferragamo(サルヴァトーレ・フェラガモ)は、1965年に長女フィアンマ氏による初のハンドバックコレクショをスタート。
続いて、1970年には次男や三女がメンズシューズ、ウェア、シルクスカーフやタイの展開もスタートさせました。Salvatore Ferragamo(サルヴァトーレ・フェラガモ)のアイコン的存在である「ヴァラ」も同年1970年に、フィアンマ氏により生まれました。
1998年には、ルックス・オルテカとライセンス契約を結び、アイウェアを展開。2001年には、香水事業にも乗り出し、2002年にスニーカーライン「Freedom」を発表。
こうしてSalvatore Ferragamo(サルヴァトーレ・フェラガモ)は、事業を拡大しファッションブランドとしての地位も築いていきました。
歴史をより深く濃く知るには…
Salvatore Ferragamo(サルヴァトーレ・フェラガモ)の本店があるフィレンツェの店舗には、本店に合わせてSalvatore Ferragamo(サルヴァトーレ・フェラガモ)の博物館もあります。
歴史的建造物の中にあり、その建物だけでも芸術的で素晴らしいですが、デザインなどの展示をはじめスライドショーなどでSalvatore Ferragamo(サルヴァトーレ・フェラガモ)の歴史をより濃く深く知ることができます。
フィレンツェに訪れる機会があれば、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。